魂のこもった日誌を、たまに書きます。
2016.3.29
先日、身の毛もよだつ事件がおきました。グロテスクな話が苦手な方は、ここから先は読まないほうがよいと思います。
それは、いつもの平日の夜。夕飯をすませ、さぁ、お風呂に入ろうか、というときのことでした。もうすぐ5歳になる息子がこんなことを言い出しました。「今日ね、保育園で○○くんにナメクジもらったの」「へー、そうなの」「だから、カバンに入れたの」 えっ!今カバンに入ってるの!? 生きてるの? 乾いてるやつ? こわばった顔で矢継ぎ早に質問する私を見て「マズイ…」と気づいたのか、「でも、カバンのいつも使わない場所に入れたの」と言い訳をする息子。ゾゾッと戦慄を覚えつつも、水筒とか連絡帳にナメクジがぬめぬめ這っている最悪の事態は回避されているのかもと微かに安心。ただ、このまま放置して夜中に這出したりしたら絶叫ものなので、ただちに通園バッグの中を息子と取り調べました。
すると、カバンの内側にぶら下がっている白いナイロンのポケットの中に、黒くて小さな物体がいるのが透けて見えます。外側の生地にまでぬめりが浸みて、ぼんやりとした黒の周りが透明の輪ジミのように濡れている…ひーっ!という悲鳴を頭の中に押し込め、母として冷静に対処せねばと思いながらも、できれば触りたくない。自分で中に入れたんだから自分で出せるよね?もう赤ちゃんじゃないもんね?という都合のいい理屈を無言でつけて、息子に「これ、出せる?」と聞いてみました。「うん」と袋の外側から小さな指でつまもうとするも、勢い余ってぐにゅっとつぶしてしまっています… ひーーっ!という声にならない悲鳴をまた押し込め、「あ、つぶれちゃったね。ママ、やるね」と心を無にして内ポケットを裏返し、感情の回路を遮断して玄関の外でナメクジを何とか振り落としました。地に落ちた哀れな生き物をよく見ると、子どもの指クラッシュを受けてお腹のあたりが千切れかけ、息絶えている様子。一緒に覗き込んでいた息子も、自分のしでかしたことを反省しているのか神妙な顔。「死んじゃったね。もう虫は入れないでね。可哀想だよ」と話しながら、即座にカバンを洗濯機に入れて回しました。
これで学んだのか、カバンに生き物が入っていることは無くなったのですが、虫好きは依然変わらず、保育園でも毎日虫探しをしているようです。そして、うちの玄関脇にはカブトムシの幼虫が入った飼育箱と、公園を掘り返して発見した何かの幼虫(たぶんカナブン)が入った虫かごが並んでいます。本人はもっともっと増やしたそうです。これまで彼のブームになった電車、クルマ、戦隊ものや昭和アニメなどは、部屋が散らかっても生活が脅かされることはなかったのですが、今は虫。子どもの好奇心は大切にしたいと思う反面、もう、これ以上の虫と暮らすのはまっぴら!という、私のここだけの本音がせめぎあいます。最近は息子が虫を捕まえて連れ帰ろうとするたび、「虫はここ(公園とか草むらとか)で暮らしたほうが幸せだよ」と言ってなだめるのですが、この理屈がいつまで持つやら。これも男子の通る道なのでしょうか。私も、まずはダンゴムシぐらいから触れるようになるべきか、悩む日々です。